【ダメでした】Apple、プライバシー懸念からMetaとのAIパートナーシップを拒否

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【ダメでした】Apple、プライバシー懸念からMetaとのAIパートナーシップを拒否

Appleはプライバシーに関する懸念から、Meta(旧Facebook)とのAIパートナーシップを拒否したことが報じられました。BloombergのレポートによるとMetaとAppleは3月に一度、AI統合について短い会話を交わしたものの、話し合いは進展せず、AppleはMetaの大規模言語モデル(LLM)をiOSに統合する計画はないとのことです。(MacRumors)

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プライバシー懸念が原因

先週末、The Wall Street Journalは、AppleとMetaがFacebookのLLM「Llama」をiOS 18の一部として統合するための協議を進めていると報じました。しかし、Bloombergの続報では、AppleがMetaとのパートナーシップを真剣に検討していなかったことが明らかにされました。

Appleが正式な協議に進まなかった理由として、「Metaのプライバシー慣行が十分に厳格でない」と判断したためです。

他のAI企業との提携

同時期に、AppleはOpenAIおよびGoogleの親会社Alphabetとも協議を開始しました。その結果、AppleはOpenAIと契約を結び、ChatGPTをiOS 18、iPadOS 18、およびmacOS Sequoiaに統合することになりました。ユーザーはChatGPTをオプトインすることができ、Siriが高度なAIモデルに一部のリクエストを引き渡すことが可能となります。

また、AppleはGoogleとも協議を進めており、GoogleのAI「Gemini」を自社のオペレーティングシステムに統合する計画です。さらに、AI企業Anthropicとの協議も進行中とのこと。

WWDCでの発表

Appleのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長であるCraig Federighi氏は、WWDCで以下のように述べました。

「Appleはユーザーに異なるAIモデルの選択肢を提供したいと考えており、複数のプロバイダーと提携する計画です。」

この発言は、Appleが単一のAIプロバイダーに依存せず、ユーザーに最適なAI体験を提供するために、多様な選択肢を模索していることを示しています。

プライバシー論争は終結…していなかった

前回の記事「AppleとMeta、AIパートナーシップ協議の背後にあるプライバシー論争」でも触れたように、AppleとMetaは過去にプライバシーに関する方針の違いから度々衝突してきました。特に、AppleのApp Tracking Transparency(ATT)機能の導入により、Metaの広告ビジネスに大きな影響が及びました。これに対してMetaのCEO、マーク・ザッカーバーグ氏はAppleのプライバシー方針を批判していました。

今回の協議の決裂も、このような背景が影響していると考えられます。AppleがMetaのプライバシー慣行を厳格でないと見なしたことは、両社の根本的な価値観の違いを再確認させるものであり、今後の協力関係に大きな影響を与える可能性があります。

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